輪屋てんやわんや

もともと自然食品店に興味があったわけではありませんでした。

 

というよりも、そういうお店がある事もわかっていませんでした。初めて自然食品店に入った時は、「値段も高くてパッケージもパッとしないし、なんでこんな店があるんだろ・・」くらいの感想でした。「こんなものを食べなくても、みんな普通に生きてるやん。」 ← (お店を始めてから、人からも何度か言われた事がある 笑)

 

ひょんなことから、自然食品店をやることになった時には、多少は自然食品店の必要性は感じていましたが、分からない事も多くて、その類の本を読んだり、話を聞いたりすることが増えました。

 

レイチェルカーソンの「沈黙の春」、有吉佐和子さんの「複合汚染」から始まって、福岡正信さん、川口由一さん、赤嶺勝人さんから千島喜久男さん、マクロビオティックの桜沢如一さん、ナチュラルハイジーンのハーヴィーダイヤモンド、エドガーケイシー、ルドルフ・シュタイナー、ゆう子の出産の時には吉村医院でお世話になり、知識だけでなく、その世界を実体験しました。

 

本当にラッキーな事に、多品目少量栽培を無農薬無化学肥料で長年実践して、本当に生命力のある野菜を作っている農家さん達とも巡り合えて、それを東京のお店に運んで近所の方に販売させていただきだして、もう10年になります。ありがたい事です。自分でも、小さな菜園を雑草を適当に残しながらやってみたり(徳野雅仁さんの本が教科書でしたが、驚くほど素晴らしい野菜が出来ました。ビギナーズラックですかね。)もしてみました。土の上に立つというのは、やはり何とも言い難い安心感がありました。

 

そんなこんなで、自然の輪の中で生きている人間が、自然の一部でしかない事、そこから外れて生きて行くことはできないことを確信しました。

経済の都合で、本来腐るものを化学的に腐らなくする技術も巧みになっています。それはある部分では必要なことかもしれませんが、そうでなければならない、仕方がないとは思えません。少なくともそうでない世界も必要だし、守らなければとも思います。

 

オーガニックとかナチュラルとかという言葉がファッションになってしまって、気の利いたパッケージや巧みな売り文句で、本物で口下手な商品や生産者を埋もれてさせてしまいました。

 

たくさんの方に来てほしい。土臭い、どんくさいイメージから抜けだしたい。なんとか一般の方達に受け入れてもらいたい。そんな思いから、自然食品店を営んでいる私達も、知らず知らずのうちに本質を見失いかけていました。そのことを認めます。 

 

自分達にしかできないことがあります。

幸いにして、本当にありがたいことに、本物だけど口下手な商品や生産者を私たちは知っています。

 

 10年経って、新しいお店になって、もう一度原点に戻って、本物の商品や生産者を紹介していきたいと思っています。

 

無農薬だから、無化学肥料だから、 「オーガニック」 じゃないと思います。

JAS有機が「オーガニック」ではないです。無添加が「オーガニック」ではないです。

 

 

自然の輪の中にいること、地球や自然と有機的に結びついていることが大事なんではないでしょうか?